2. Gitの基本用語とコマンド

Git の基本用語を覚える

Git を利用する前に基本的な専門用語や仕組みを覚えなければいけません。 基本用語として以下のものがあります。

項目 英語 説明
リポジトリ repository プロジェクトのファイルや変更履歴を保存する場所。フォルダのようなもの。
クローン clone 他の人のリポジトリを自分のパソコンにコピーすること。
コミット commit ファイルの変更内容を記録(保存)すること。「スナップショットを撮る」ようなもの。
プッシュ push 自分の変更をリモートリポジトリ(GitHubなど)に送ること。

Repository(リポジトリ)

リポジトリ(Repository) は簡単にいうとファイルの管理場所で、リモートリポジトリとローカルリポジトリの2種類あります。

local(ローカルリポジトリ)

ローカルリポジトリとは、自分のパソコン内にある Git の管理場所です。ファイルの変更やコミットなどの操作は、まずこのローカルリポジトリで行います。

作業が完了したら、変更内容をリモートリポジトリへ反映(=プッシュ)する必要があります。これにより、他の開発者と変更を共有できます。

remote(リモートリポジトリ)

リモートリポジトリとは、Gitサーバ上にある共有用のリポジトリのことです。複数人でプロジェクトを共同開発する際に、変更内容を共有・管理するための中心的な場所になります。

リモートリポジトリは、GitHubGitLabGitBucket などのクラウドサービスを使って簡単に作成できます。また、自分で Git サーバを構築して運用することも可能です。

origin(オリジン)

origin とは、リモートリポジトリの場所(URL)に付けられた別名(エイリアス) です。
通常、リモートリポジトリをクローンしたり、新しく作成したりすると、自動的に origin という名前が設定されます。

例えば、git push origin main コマンドは、origin(=リモートリポジトリ)に main ブランチの変更を送るという意味になります。

branch(ブランチ)

branch(ブランチ)とは、変更履歴を分岐させて記録するしくみです。
ユーザーごとや開発の機能ごとにブランチを作成することで、並行して別々の作業を進めることができます

例えば、main ブランチとは別に feature-login などのブランチを作れば、本番環境に影響を与えずにログイン機能の開発を進められます。

default branch(デフォルトブランチ)

プロジェクトを新しく作成すると、まず1つ目のブランチとしてデフォルトブランチが自動的に作られます。このブランチは、基本となるメインの開発ラインとして使われ、多くの場合ここに最終的な成果物が集約されます。

master と main

以前は master という名前が一般的でしたが、2020年以降は「差別的な表現を避ける目的」で、現在は main という名前の使用が推奨されています。
GitHubなどのサービスでも、新しいリポジトリでは main がデフォルトとして使われています。

Clone(クローン)

Cloneリモートリポジトリからローカルにコピー(ダウンロード) します。 初回時に何もない状態からプロジェクトを取得するときに利用します。プロジェクトには Git管理用の .git フォルダを含んだプロジェクトを

clone のコマンド

clone のコマンドはリポジトリの、HTTPS または SSH の URI を指定します。もし Git のプロジェクトが全公開(public)に設定してあれば、世界中誰でも clone できます。

git clone リモートリポジトリのURI

Pull(プル)

Pull とは

pull は、リモートリポジトリからローカルリポジトリへ変更履歴を更新します。自分以外のPCで更新された変更を更新するのに利用します。

origin/main という追跡ブランチをローカルと同期させます。pull は実質 fetch + merge を同時に実行しています。

pull コマンド

pull コマンドではリモートリ名とブランチ名を指定します。

git pull リモート名 ブランチ名

リモート(origin) から pull

リモート originmain ブランチを pull で同期するコマンドです。

git pull origin main

ブランチは省略可能

デフォルトでは追跡ブランチが origin/main となっている場合は、引数なしで実行できます。ただし、複数のブランチ名で運用するときは缶ラズブランチ名を指定してください。

git pull

Add(追加)

add コマンド

commit する前に、ワークツリーからインデックス情報を更新する add が必要です。

git add ファイル

1つ1つファイルを追加するのは面倒です。すべてのファイルをワークツリーに登録するには .(ピリオド)を指定します。

git add .

Commit(コミット)

Commit(コミット)とは

Commit修正内容をローカルリポジトリの履歴に登録する処理です。 commit コマンドは、修正内容のメッセージ(必須)のオプション -m をつけます。

git commit -m '修正内容を記述'

comit コマンド

オプションを -am とすると、addcommit を同時に実行することができます。

git commit -am '修正内容を記述'

push(プッシュ)

push(プッシュ)とは

ローカルリポジトリからリモートリポジトリへ更新する作業がPushです。Push するには、事前にリモートリポジトリを作成し、その URIorigin として設定しておきます。

push のコマンド

main ブランチに push するコマンドです。origin は事前に設定したリポジトリの URIの別名(エイリアス)です。

git push -u origin main

はじめての Git